戯曲台本『森は生きている』を読む 第二幕第一場

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Действие второе 
第二幕、第二場は картиеа вторая
картина первая
第一場、第一幕は действие первое

1 冒頭ト書き

Лес. 森
На землю  падают крупные  хлопья снега. 
  • [На 前置詞 対格を取って『~の表面へ』землю 名詞単数女性対格『地球・地面』] [падают 動詞現在三人称複数『下りる・落下する』] [крупные 形容詞複数主格『ビッグサイズの巨大な』] [хлопья 名詞複数主格『フレーク』] [снега 名詞単数男性生格『雪』]. 『知面の上に、巨大な雪のフレークが落ちている』
  • падать на 対格 ~の上に落ちる
Густые сумерки.  
  • [Густые 形容詞複数主格『こってりした、濃厚な』] [сумерки 名詞複数主格『黄昏』].
Падчерица пробирается  через  глубокие  сугробы. 
  • [Падчерица 名詞単数女性主格『ママ娘』] [пробирается 動詞現在三人称単数『歩いて分け入る』] [через 前置詞 対格を取って『~を横切って』 глубокие 形容詞複数対格『奥行きのある・深い』 сугробы 名詞複数対格『雪だまり』]
Кутается  в  рваный  платок. Дует  на замерзшие руки.  
  • [Кутается 動詞現在三人称単数『自分を包み込む』] [в 前置詞 対格を取って『~の中へ』 рваный 形容詞単数男性対格『ぼろぼろの』 платок 名詞単数男性対格『スカーフ』]『ぼろぼろのスカーフの中に身をつつみこんでいる(ママ娘が)』
Дует  на замерзшие руки.  
  • [Дует 動詞現在三人称単数『吹く・息を吹きかける』] [на 前置詞 対格を取って『~の表面へ向かって』замерзшие 形動詞過去複数対格『凍えわたった』замерзが動詞過去一人称単数 руки 名詞複数女性対格] 『(ママ娘は)凍えわたった両手の表面に息を吹きかける』
В лесу все больше и больше темнеет. 
  • [В 前置詞 前置格を取って「~の中で・では・に』лесу 名詞単数男性前置格] [все 副詞『一切、全体』больше 副詞『一層、だんだん』、形容詞『大きい』の中性短語尾でもあり、比較級でもある и больше темнеет 動詞現在三人称単数『暗くなる』] 逐語訳では больше и большеがmore and moreだが、ロシア語慣用表現としてはвсе больше и большеがmore and more相当らしい。『森の中、森の中では、どんどん暗くなる』
С верхушки дерева шумно падает ком снега.
  • [С 前置詞 生格を取って『~の表面から』верхушки 名詞単数女性生格『先っぽ』дерева 名詞単数中性生格『木』] [шумно 副詞『やかましく、がやがや、ざわざわと』[падает 動詞現在三人称単数『下りる』[ком 名詞単数男性主格『塊』снега 名詞単数男性生格『雪』]『雪の塊が、木の先っぽの表面にあったが、そこから、騒々しい音を立てて落ちる』

2 ママ娘 独り言

Падчерица  (вздрагивает 動詞現在三人称単数『震える・身震いする』.) 
Ох, 間投詞 кто там? 疑問詞『誰』 指示代名詞『あれ』『おー、誰、あそこにいるのは?』
(Оглядывает­ся.) 動詞現在三人称単数『振り返る』
Снеговая  шапка упала, а  мне уж почудилось,  будто на меня  кто с дерева  прыгнул... 
  • [Снеговая 形容詞単数女性主格『雪の』][ шапка у名詞単数女性主格『シャープカ・帽子』] [пала 動詞過去単数女性『倒れる・落ちる』] 『雪の被り物が落ちた』
  • [а 接続詞『そうして』] [мне 人称代名詞一人称単数与格] [уж 副詞『果たして』] [почудилось 動詞過去単数中性『に、見える』]
  • [будто 接続詞『~のように』] [на 前置詞 対格を取って『~の表面に』меня 人称代名詞一人称対格] [кто 代名詞主格『誰か』[с 前置詞 生格を取って『~の表面から』дерева 名詞単数中性生格『木』] [прыгнул 動詞過去単数男性『跳ぶ』] 『そして、木の上に乗っていた何かが、その木の表面から、私の表面に飛び跳ねたかのように、私には見えた』
А кому быть здесь в такую пору? 
  • [А 接続詞『そして』][кому 人称代名詞三人称単数与格] [быть 動詞不定詞][здесь 副詞『ここに』] [ в 前置詞 対格を取って『~の中へ』][такую 代形容詞単数女性対格『こういう』пору 名詞単数女性対格『時間・タイミング』]
  • 無人称文(述語が不定形)なので、意味上の主語は与格кому 『それでもって、こんなときにここにいるのは誰なわけ?』
Звери и  те по  своим  норам  попрятались. 
  • [Звери 名詞複数男性主格『獣・ビースト』] и [те 定代名詞тот 複数形主格『それ』] [по 前置詞 与格を取って『~沿いに』своим 定代名詞複数与格『それら』] норам 名詞複数女性与格『穴』][ попрятались 動詞過去複数能動形『隠れる』]
  • (こんなときにここにいるのは)獣たちと、「こういう生き物たち、その生き物たちはその生き物たちの穴に沿って身を隠してしまっている、そういう生き物」~「隠れていないのは野獣たち、それ以外は、(穴に身を隠して(ぬくぬくしている)動物たち)』
Одна я в ле­су...  
  • [Одна [形] 『1人で,単独で,独りぼっちで,孤立して」単数女性主格](述語) ] [я 人称代名詞一人称単数主格](Argument 1 主語) ] [в ле­су [リェース]-а/-у 前о -е, в -у́ 複-а́ (и́з лесу, из ле́су, из ле́са; по́ лесу, по ле́су)[男1]〔forest〕](Adjunct 1) 『独りぼっちで私は森に居る』
 (Пробирается   дальше.  Спотыкается,  запутывается  в  бу­реломе, останавливается.) 
  • [Пробирается 動詞пробиратьのся動詞 『自身が(何かを)突き通って入り込む・到達する』] [дальше [ダーリシェ]Ⅰ[形][副]〔further〕〔比較<(派生関係)далёкий, далеко́/далёко形『遠い』〕より遠い;より遠くに]『(ママ娘は)より遠くに(森を・舞台を)進み入る』
  • [Спотыкается ся動詞現在三人称単数形『躓く』]、ロシア語辞典では以下の通り
спотыка́ться
[不完]/споткну́ться-ну́сь, -нёшься[完]
①〈о[対]に〉つまずく,よろける
  • したがって、不完了動詞の現在形として、三人称単数(ママ娘)がこの動作をすることがわかる。不完了体なので、躓いて転びそうになるという動き自体を表現しているのであって、実際に躓いてすってんころりんと倒れたかどうかは記述していない。また、[不完]のあとに"/"スラッシュが来ており、不完了体動詞としての変化形に関する情報は何も書かれていないので、このся動詞の変化はルール通りであることがわかる
  • [запутывается 動詞запутываться 不完了体不定詞 現在三人称単数形]、規則変化動詞、『こんがらがっている・森の中を歩くにあたってこんがらがっている=迷っている』
запу́тываться
[不完]/запу́таться[完]
①もつれる,こんがらかる
②〈в[前]に〉引っかかる,からまる
③複雑になる,わかりにくくなる,紛糾する
④(話)(話・考えなどの脈絡を失って)混乱する,まごつく,しどろもどろになる
⑤(話)困難な状況になる,にっちもさっちもいかなくなる
⑥(話)道に迷う
  • [в 前置格を取って『~の中で』бу­реломе, 名詞単数男性буреломの前置格『風でなぎ倒されて根元側が上を向いた木々(集合体]
бурело́м
[男1](集合)嵐で倒れた木々,嵐で木々が倒れた森
  • [останавливается 動詞現在三人称単数] 不完了体『止まるという動作をするけれど、とまった状態になったことが大事なのではなくて、「歩いていたものが止まらんとする過程動作」が大事』
остана́вливаться [アスタナーヴリヴァッツァ] [アスタナヴィーッツァ]
[アスタナーヴリヴァッツァ][不完]/останови́ться[アスタナヴィーッツァ]-овлю́сь, -о́вишься, ... -о́вятся 命-ви́сь[完]〔stop〕
①(動作しているものが)止まる,停止する
Не пойду дальше. 
  • [пойду 動詞現在一人称単数] 現在形の1人称単数・2人称単数変化形が示されている。命令法形(二人称単数)も示されている。
  • "/"スラッシュの後が命令形二人称単数の口語表現のことを指していると思われる。
  • 過пошёл, -шла́は過去形の変化形。不規則なので記載
  • 能過で形動詞過去能動態(男性主格)が示され定る
  • [完]の手前の情報は完了形のはず、その前に不完があるなら[不完]と書くべきだが、それがないので、ここの記載はすべて完了体のことか…
  • "★идти́の開始を示す"のидти́は汎用性が高い「行く」という動詞で、それとの関係が注記されている
пойти́ [パイチー]
[パイチー]-йду́, -йдёшь 命-йди́/(話)поди́ 過пошёл, -шла́ 能過поше́дший 副分-йдя́[完](★идти́の開始を示す)
①歩き始める,歩きだす;(乗物・機械が)動きだす,走りだす
  • [дальше 副詞『これ以上』]
  • 形容詞『遠い』далёкийから比較級として派生した単語で、それが形容詞・副詞として働くことがわかる
да́льше [ダーリシェ]
[ダーリシェ]
Ⅰ[形][副]〔further〕〔比較<далёкий, далеко́/далёко〕より遠い;より遠くに
Ⅱ[副]
①それから,これから,その後
  • 『(私は)この後、歩きださない(歩き出して、歩くという行為を続けるという状態に移行することはない)』
Тут и останусь. 
  • [Тут 副詞『ここ』] 『ここだ! ここにする! ここで止まってもう動かない』
  • 不完了体、完了体が併記してあり、останусьは完了体の現在三人称単数形。"/"で不完了体、完了体、それぞれの変化形情報が書かれている。完了体のそれは後半。現在形一人称単数、二人称単数が書かれているから、このレベルでの不規則性を持つ。命令形も不規則性があるので示されている。
  • 意味は、完了体なので『残るという動作をして、そこに居続ける』の意
остава́ться [アスタヴァーッツァ] [アスターッツァ]
[アスタヴァーッツァ]-таю́сь, -таёшься 命-ва́йся 副分-ва́ясь[不完]/оста́ться[アスターッツァ]-а́нусь, -а́нешься 命-а́нься[完]〔remain, stay〕

①残る,留まる,居残る
Все равно, где замерзать.
  • Все равноは、すべて+等しい(短語尾単数中性ー>副詞 だが、慣用表現があることが示されている
  • 〈[与]〉は、『何かがどうでもよい』というときの『何か』は与格、ということ(だろう)
равно́ [ラヴノー]
[ラヴノー]〔equal〕
①[副]同様に,等しく
②(述語)〈[与]に〉等しい,同じである
Два́ плю́с три́ //равно́ пяти́.|2+3=5
③[接](通例//равно́ как (и), а //равно́ иの形で)(文)同様に,…もまた

всё //равно́
〈[与]〉
(1)どちらでもいい
(2)いずれにしても
(3)(否定文で)絶対に
всё //равно́ нельзя́|絶対に駄目だ
  • где замерзать どこで+不定詞 『どこで~しようと(どうでもよい、違いはない)』
  • замерзатьは不完了体動詞なので、「凍る(氷という個体状態に変化する)、かじかむ(寒くて凍りつく変化がまさに進んでいる状態を身をもって体験する)』の意
замерза́ть [ザミルザーチ] [ザミョールズヌチ]
[ザミルザーチ][不完]/замёрзнуть[ザミョールズヌチ]-ну, -нешь 命-ни 過-ёрз, -ёрзла 能過-зший 副分-ув[完]〔freeze〕〔不完またмёрзнуть〕
①凍る,凍結する
②ひどくこごえる,かじかむ
(Садится на поваленное дерево.)  
  • Садится 不完了体動詞三人称単数
сади́ться [サジーッツァ] [シェースチ]
[サジーッツァ]сажу́сь, сади́шься, ... садя́тся 命-ди́сь[不完]/се́сть[シェースチ]ся́ду, ся́дешь 命ся́дь 過се́л 能過се́вший 副分се́в[完]〔sit down〕
①座る,着席する
  • поваленное 形動詞過去単数中性対格。変化形が規則的なので、повали́тьの形動詞過去被動形と解り、『押し寄せられて集結した』
повали́ть
-алю́, -а́лишь[完](多くのものが)押し寄せ始める;(雪などが)どっと降りだす;(作物を)なぎ倒す
  • на 対格を取って『~の表面で』дерево 名詞単数中性対格『木』
  • 『木が押し寄せられて塊を作っている、その木の表面に、立っている状態から腰を下ろしている状態へ推移する動作と言う意味で「腰かけるという動き」をする』
Темно-то как! 
  • Темно : 形容詞темный暗いの短語尾中性対格と同形で副詞。無人述格用法
  • それに-тоがついている。疑問詞に-тоがつくと「存在はわかっているが,それ以上の情報を出さないあるいは出せないときに用い」るというように、「ちょっとしたニュアンスを加える」ことがある。これを普通の副詞に用いると、『暗いわね!』に対して『暗いことだわね!』という表現の違い程度の差を生む模様。。。
  • 疑問詞につけて不定代名詞・不定副詞とすることについてはロシア語 文法 不定代名詞と不定副詞:解説
  • 同じく、疑問に思っている方のコメントにつてはвообще-то 実際に | ロシア語の学習メモ
  • "How dark, isn't it"くらいの勢いかもしれない
  • ちなみにТемноはロシア語大辞典では見出し語となっており、無人述格用法と副詞用法とが挙げられていた
Рук своих не разглядишь. 
И не знаю,そして(私は)知らない
 куда я Зашла. 
Ни вперед 前方へ, ни назад 後方へ  дороги 道(複数) не найти 見出す (不定形).  
  • 『前も後ろも道はない・見つからない 』
Вот и ここだ、そして
пришла  моя смерть. 私の死はやって来た。
Мало я хорошего в жизни видела, а все-таки страшно помирать... 
  • Мало : 少しだけ[副]
  • хорошего << хороший, 名詞的に使って『よいこと』
  • в жизни 人生に
  • видела << видеть 不完了体過去『見た』三人称単数
  • 『私は人生でよいことを少ししか見てこなかった』
  • все-таки "after all" そうこうしてきた結果としての今
  • страшно 副詞 << страшный形容詞『恐ろしい』
  • помирать 『亡くなる』不定
  • 『、、、見てこなかった、その結果としての今だが、死ぬことは(無人称文の形式主語)恐ろしい』
Разве закричать,  на помощь позвать? 
Может,  услышит  кто  -- лесник, или дровосек запоздалый, или охотник какой? 
Ау! Помогите! 
  • Помогите << помочьの命令形二人称単数 助ける
Ау! Нет, никто не отзывается. 
Что же мне делать?  
  • же 直前の語を強調
  • 何を、(強調)、私にとって、するべしー>私はいったい何をするべきなのか?
Так それでは и  сидеть 座っている(不完 不定形) здесь ここに, 
покуда (as long as, untill) конец (名詞 end) не  придет (動詞現在三人称単数 やってくる)? 
  • 『それでは、終わりの時が来るまで、ここに座っていることだ=座っていよう』
А 接続詞 ну 間投詞 как (how) волки (狼 複) набегут (詰めかける現在/未来 三人称複数)? 
Ведь 結局 они 彼らは издали 遠くから чело­века 人の女性形単数対格 чуют においをかぐ現在三人称複数.  
Вон  там  хрустнуло  что-то , будто  крадется  кто . 
  • Вон 副詞そちらあちら там 副詞そっち хрустнуло 割れるようなぱちぱちと音が立てた 過去単数中性 что-то 何か(тоを付加して、実在はしているが、詳しくは述べがたい、と言うようなニュアンスがついている), будто 接続詞まるで~のように крадется こっそり近づく кто 誰かが.
  • Вон там で「ほらあそこに」
  • 『ほらあそこでぱちぱちと音が立てた。まるで、誰かが(おおかみか???)こっそり近づくかのように』
Ой, боюсь! (Подходит к дереву, смотрит на толстые, узлова­тые,
покрытые  снегом  ветви.) 
  • боюсь : 現在一人称単数 

боя́ться
[バヤーッツァ]бою́сь, бои́шься 命бо́йся[不完]〔fear, be afraid〕①〔完по//боя́ться〕〈[生]を/[不定形]するのではないかと〉恐れる,怖がる,心配する

  • 『怖い!(怖がるという行為が現在進行中)
  • Подходит:現在三人称単数

подходи́ть
 [パトハヂーチ]-хожу́, -хо́дишь, ... -хо́дят 命-ди́[不完]/подойти́[パダイチー]-йду́, -йдёшь 命-йди́ 過-дошёл, -дошла́ 能過-доше́дший 副分-йдя́/-доше́дши[完]〔approach, fit〕①〈к[与]に〉(歩いて)近づく,近寄る;(乗物が・乗物で)近づく,接近する

  • дереву:дерево(名詞中性)の単数与格

-
смотрит:現在三人称単数 смотре́ть
[スマトリェーチ]-отрю́, -о́тришь 命-ри́ 受過-о́тренный 副分-ря́(★副分は時にгля́дя/глядя́で代用される)[不完]/посмотре́ть[パスマトリェーチ][完]〔look, see, match〕①〈на/в[対]〉…に視線を向ける,…を見る,ながめる,のぞく

[トールスティイ]短то́лст, -та́, -то, -ты́/-ты 比то́лще[形1]〔fat, thick, heavy〕①厚い,厚みのある

  • узлова­тые「節くれだった」形容詞複数
  • покрытые :покрыть 動詞「被る、覆う」の形動詞被動体短語尾複数
  • снегом :名詞 男性снег単造、被動体形容詞の意味上の主語
  • ветви:複対 ве́тв|ь 複-и, -е́й[女10]〔branch〕①枝)
Взобраться,  что ли? 
  • Взобраться 不定形 苦労して登り、登った暁に高いところに存在することとなる взбира́тьсяの完了体взбира́ться[不完]/взобра́ться взберу́сь, взберёшься 過-а́лся, -ала́сь, -ало́сь/-а́лось[完]〈на[対]の上に〉(苦労して・障害を乗り越えて)上がる,よじ登る,這い上がる
  • что
  • ли[リ],ль[リ]Ⅰ[助](★直接疑問文で,疑問のポイントとなる語句を文頭に出し,その直後に置いて疑問の意味を強める)…か(どうか) Ⅱ[接]①(間接疑問文を作る)…かどうか
  • что́ ли//что́ ли(話)(自信のなさ・疑い)…かな Пойдём, //что́ ли.|そろそろ行こうかね
  • 『よじ登って高いところに移動しようかな』
Там  они  меня  не достанут.
  • Там そこで
  • они меня 彼らは、私を
  • достанут 現在/未来 複достать 〔get〕
  • 『そこなら、彼ら(狼たち)は私を捕まえない』
(Взбирается на одну из ветвей и усажи­вается в развилине. Начинает дремать.)
  • Взбирается現在三人称単数 взбира́ться[不完]/взобра́ться взберу́сь, взберёшься 過-а́лся, -ала́сь, -ало́сь/-а́лось[完]〈на[対]の上に〉(苦労して・障害を乗り越えて)上がる,よじ登る,這い上がる
  • 高いところに移動しよう(到着点を意識した完了体動詞)という発言とともに、高いところに移動するという過程を表す不完了体動詞によってト書きが表現されている
  • одну 単女対один『1』
  • из ветвей in branches(複生)『複数の枝の』
  • усажи­вается 現三単усаживаться[不完]/усе́стьсяуся́дусь, уся́дешься 過усе́лся[完]〔take a seat〕①(ゆったりと・長時間)座る,腰をおろす,腰をすえる
  • в развилине 女単前置 развилина 二股
  • Начинает 現三単начина́ть[ナチナーチ][不完]/нача́ть[ナチャーチ]-чну́, -чнёшь 命-чни́ 過на́чал, -ла́, -ло 能過-ча́вший 受過на́чатый (-ат, -ата́, -ато) 副分-ча́в[完]〔begin, start〕①〈[対]/[不定形](不完)することを〉始める,開始する
  • дрема́ть дремлю́, дре́млешь[不完]〔doze, slumber〕①〔完за//дрема́ть〕居眠りする,まどろむ,うとうとする
  • 『枝の一つによじ登り、枝の股に座り、居眠りを始める』
Некоторое  время в  лесу  тихо. 
  • Некоторое単中主не́котор|ый[ニェーカタルイ](形1変化)〔some, certain〕[代](不定)①ある,ある種の;若干の,多少の
  • время単中主 [ヴリェーミャ]生・与・前-мени 造-менем 複-мена́, -мён, -мена́м[中7]〔time〕①(空間に対する)時間,時
  • тихо[チーハ]比ти́ше〔quietly〕①[副]静かに,小声で;穏やかに②[無人述]静かだ,穏やかだ;風がない
  • 『少しの間、森の中は、静か』
Потом из-за  сугроба  появляется  Волк.
  • пото́м[パトーム]〔afterwards, later〕①[副]それから,その後に;後で
  • из-за [イズザ][前]〔from behind〕〈[生]〉①(背後からの動作)…の陰から
  • сугроб 単男生сугроб [男1]雪の吹きだまり,雪だまり;粒状のものの山
  • появляется 現三単появля́ться [パイヴリャーッツァ][不完]/появи́ться[パイヴィーッツァ]-явлю́сь, -я́вишься, ... -я́вятся 命-ви́сь[完]〔appear〕①現れる,姿を現す,出現する;掲載される,発表される
  • 『しばらくして、雪だまりの陰から、一頭の狼が現れる』
Настороженно  поглядывая  по  сторонам, он обходит лес и,  приподняв голову,
затягивает свою одинокую волчью песню.
  • Настороженно : настороженный 形動詞過去能動<< насторожить -> настороженный形容詞として使う『警戒の、用心深い』 -> насторожен 形容詞短語尾、その単中 Настороженно が副詞『警戒して』
  • поглядывая 副動詞 『ちらっと』<< поглядывать 『一目する』
  • сторонам 複与 << сторона 面、по сторонам 『両側に』:副動詞поглядывая の目的語→『両側を一瞥しながら』
  • обходит 現三単 обходи́ть -хожу́, -хо́дишь[不完]/обойти́-йду́, -йдёшь 過обошёл, обошла́ 受過-йдённый (-дён, -дена́) 副分-йдя́/обоше́дши[完]〔go around, avoid〕〈[対]〉①回る,一回りする
  • приподняв 副動詞 << приподнять 『高める』
  • голову 女単対 << голова 『首、頭』 、副動詞приподнявの目的語
  • затягивает 現三単 << затя́гивать [不完]/затяну́ть-яну́, -я́нешь 受過-я́нутый[完]〈[対]〉⑧(話)(ゆっくりと)歌い出す
  • свою 単女対<< свой『自身の』
  • одинокую単女対 : одинокий[アヂノーキイ]短-о́к[形3]〔lonely, solitary〕①ただ1つ[1人]の,孤立した②身寄りのない,独り身の;孤独の;友人[知人]がいない③独りぼっちの,孤独の;寂しい << один『1』
  • волчью 単女対 волчий狼
  • песню 単女対 песня 歌
  • 『警戒し、両側に目をやりつつ、森を一回りする。頭を上げ、孤独な一匹狼の歌を、ぐぐぐーーーーっと引っ張り出すような感じでゆっくりと歌いだす』
狼の歌
 (Допев  свою песню, опять пускается  в обход.  
  • Допев 副動詞 << допеть << до + петь
  • петь[ピェーチ]пою́, поёшь 命по́й 受過пе́тый[不完]/спе́ть[スピェーチ],пропе́ть[プラピェーチ][完]〔sing〕①〈[対]〉歌う
    • ここではспе́ть[スピェーチ],пропе́ть[プラピェーチ][完] となっているが、до + петьも完了体。до- (独:zu-;英:ad-):(動詞に付して)(1)行為の完了・達成、行為のある程度までの遂行(「…するまで~する」)
  • свою песню 『自分の歌を』、副動詞Допевの目的語、『自分の歌を歌い終わって』
  • опять [アピャーチ][副]〔again〕
  • пускается 現三単 << пуска́ться << пуска́ть[プゥスカーチ][不完]/пусти́ть[プゥスチーチ]пущу́, пу́стишь, ... пу́стят 命-сти́ 受過пу́щенный[完]〔let go〕〈[対]〉①放す,解放する,自由にする
  • обход 単男対『巡回』
  • 『(狼は)自分の歌を歌い終え、再び、(歌う状態から自身を解放し)、巡回し始めた』
Подойдя  по­ближе к тому месту, где укрылась Падчерица, останавли­вается.)  
  • Подойдя подойтиの副動詞過去能動『к~に近づきながら』
  • Подойдя << подойти
  • дойти[完了体動詞] << доходи́ть[不完了体動詞]
  • подойти[完了体動詞] << подходи́ть[不完了体動詞]
  • подходи́ть = по + доходи́ть (アクセントの位置の関係でохоがхо になっているようだ)
  • подойти = по + дойти
  • поは動詞の接頭辞で「~し始める」「少し~する」の意味を添える
  • доходи́ть [ダハヂーチ]-хожу́, -хо́дишь, ... -хо́дят 命-ходи́[不完]/дойти́[ダイチー]-йду́, -йдёшь 命-йди́ 過дошёл, дошла́ 能過доше́дший 副分-йдя́/доше́дши[完]〔reach〕①〈до[生]まで〉(歩いて・乗物が)行く,到達する;届く,着く
  • подходи́ть [パトハヂーチ]-хожу́, -хо́дишь, ... -хо́дят 命-ди́[不完]/подойти́[パダイチー]-йду́, -йдёшь 命-йди́ 過-дошёл, -дошла́ 能過-доше́дший 副分-йдя́/-доше́дши[完]〔approach, fit〕①〈к[与]に〉(歩いて)近づく,近寄る;(乗物が・乗物で)近づく,接近する
  • ближе 比較級< бли́зкий, бли́зко 、ближе [ブリージェ][形][副]〔比較<бли́зкий, бли́зко〕より近い,より近くに
  • 形容詞に接頭辞поがついてпоближе =(もう少し近くに、なるべく近く)
  • тому 単中与 тот 『あの・その』:где節が後から説明する
  • месту 単中与место [ミェースタ]複-а́, ме́ст, -а́м[中1]〔place〕①所,場所,スペース,(所定の)位置,現場,用地,地点
  • укрылась 過去単女 < укрыться『見えないように覆われた状態にして隠れる』 < укрыть 『覆い隠す』+ ся 『自らを』<
  • Падчерица ママ娘が
  • остано́вк|а[アスタノーフカ]複生-вок[女2]〔stop, stoppage〕①(a)止める[止まる]こと,停止;停車,停船;(体操選手の)静止
  • остановить動詞 止まる
  • останавにSuffix(接尾辞) иватьをつけて、それにさらにсяをつけたか…。иватьは不完了体化する機能があるようだが…→こちら
  • どうしてこんなことになるかと言うと・・・
    • (1) 動詞は基本的に不完了体
    • (2) 不完了体動詞から対応する完了体動詞を作るときに、接頭辞をつける
    • (3) 接頭辞がついて完了体となった動詞に対応する不完了体動詞は、接頭辞を外したもののはずだが
    • (4) ときに、接頭辞が、「完了体化」の役割を果たしつつ「完了体化」以外のニュアンスを加えたことになることがある
    • (5) そうすると、その動詞は「完了体」でありながら、新たな動詞となる
    • (6) これに対する不完了体が欲しくなるが、この際、接尾辞を加えて実現する
    • この説明がここ
  • 『(狼は)より近くに近づいていく、そこには、ママ娘が隠れている、そして(狼は)速度を落として止まらんとする動作をする』・・・と訳す???ト書きなので、完了体は使いたくない、というところか?
カラス・狼・リスのやり取り