私のためのロシア語文法
- ロシア語文法はややこしいので、「なんちゃっておとぎ話」にして覚えることにする
- 真実ではないが、覚えるための方便の「作り話」
- 1.
- 叙述を1単語で開始した
- 知覚現象に対する言葉、情動を表す言葉ができた
- 1単語、1対象の状態
- 形容詞・動詞・叙述副詞などの原型
- 単・複、性、格など、何もない
- 2.
- 「私」と「あなた」から始まった
- まず、「私」と「あなた」が現れ、それ以外(3人称)が現れた
- 単・複の区別はまだない
- 性の区別もまだない
- 格もまだない
- я ты онのみ
- 3.
- 動作の主体として重要なのは、人称である
- 動作は現在のそれ
- 「わたし Xする」「あなた Xする」「それ Xする」の本質的な違いは、「わたしがする」のか「おまえがやれ」なのか「それにやらせろ」の違い
- したがって、(1,2,3人称代名詞を省いても解る)動詞の人称形ができた
- その中には命令形も含まれた
- 「あなた Xする」が「あながたXをする」と「お前がXしろ」との区別まで必要になると、2人称形と命令形が分離した
- 他方、情動などを表す形容詞では、人称の区別は不要だった
- 4.
- 一般名詞の発生
- この世のありとあらゆる存在体に名前を付け始めた
- 膨大な名詞ができた
- 「一般名詞」+「叙述(動詞・形容詞)」が現れた
- 3人称代名詞は一般名詞の代名詞としての役割も持つことになった
- 5.
- 動詞の過去形の登場
- 動詞の表現内容は、現在だけであったが、過去のことも問題にするようになり、過去の動作についての表現が現れた
- 過去の動作の主体は、現在の「私」にとって、すべて「3人称」として見えた
- 「過去の私」は「今の私とは異なる第三者」という意味
- したがって、動詞の過去形はには人称の違いはなかった
- 過去形は"л"を付け加えることで表した
- 6.
- 複数という概念の登場
- 1,2,3人称に単数と複数の違いが導入された
- 一般名詞にも単数と複数の違いが導入された
- 動詞の現在形にも単数と複数の違いが導入された
- 動詞の過去形にも単数と複数の違いが導入された
- 形容詞にも単数と複数の違いが導入された
- 名詞、動詞と形容詞とは区別されず、どちらも"и"の付与で複数化された
- 7.
- 名詞の性による分類
- 多数の名詞を使い分け、多くの情報を扱うようになったので、名詞の語尾と、叙述単語の語尾とを合わせることで、冗長性を上げ、情報伝達の確実性を上げた
- その際、複数の場合は、異なる性の個体の集合となることもあったので、複数形に性は持たせなかった
- 一般名詞単数語尾は、単数形は子音、а о 終わりを基本としていたので、それに合わせて、叙述単語(動詞過去形、形容詞)の語尾も子音、а о 終わりとなった
- 複数形は名詞・動詞・形容詞ともи 終わりであったので、一般名詞・動詞過去・形容詞は、男・女・中・複が、子音 а о и と統一された
- 8.
- 動作表現の複雑化と名詞の格の登場
- 動詞は動作主体だけでなく、状況説明を加えることでより複雑な内容を表現できる
- 目的語も名詞、手段を提供するのも名詞、場所情報も名詞
- このように、1つの文に、動作主体、目的対象等の複数の名詞を加えると、どの名詞がどの役割なのかが不明になる
- その不確実性を回避するために、名詞の語尾を変化させることとした
- 8.1
- 主格と対格
- 動詞にとっての最重要格が主格なら、第二に重要な格は対格だろう
- 男性・女性・中性・複数で、主格と対格は基本的には同じ(女性単数のみが 主 а 対 у)と異なる
- したがって、主格と対格に関する限り、語尾変化だけでは主・対の区別はできない
- 語尾変化以外に使える情報は次の2つ
- 動詞との相対的な位置
- 動詞との意味的関係
- 難しい・複雑な・厳密な取り扱いをするためには、「位置」情報を使うのが安全なはず
- したがって、主・対については、「位置」を語尾より重視する
- 8.2
- 主・対以外の語尾は男性・中性の生格の аが、女性の主格のそれと混同したり、男性・中性の与格のуを女性の対格のそれと混同したり、ということが起きるかもしれない
- 主格かそれ以外の格(斜格)かの区別は、動詞との相対的位置情報を優先するかもしれない
- 斜格動詞のуの場合は…。生格・与格を使うような名詞については、頭の中に主格としての用法が響いているので、それが子音で響くかаで響くかとの対応関係で、与格・対格の区別がつくだろう
- このことを、「単語ごとに記憶する」と説明することもあるだろう
- それ以外の斜格は、омなど、それなりに特徴的なのでわかるだろう
- また、複数形の主・対に能われるиが、単数形の格では(ほとんど)現れないことも混同を回避してくれる
- 9.
- 名詞を修飾する形容詞にも格
- 1つの文の中に登場する名詞に情報を付与することで、より詳細な情報を伝えることとなった
- その役割を形容詞が担うとき、その形容詞の使い方は、文の主要述部ではなく、名詞単独に掛ることとなった
- どの名詞に掛っている形容詞なのかを紛れなくするために、名詞の語尾と似たような語尾をつけることとなった
- 結果として、形容詞の語尾は名詞の格変化形の語尾と一致することを原則とすることとなった
- 形容詞短語尾が 子音 а о иで終わっているとすると、長語尾形は、子音終わりの男性形にыйをつけたものとなった
- その性・数変化は-ый -ая -ое -ые。これが名詞の主格の性・数変化 子音 а о и に対応している
- いったん、長語尾の変化語尾がつけば、その子音・母音パターンに応じて、格変化形が決まってくる
- 10.
- 動詞的な情報を名詞に掛ける必要も生じた
- 動詞から形容詞的な語形を作った。形動詞
- 形動詞の語尾変化は形容詞のそれと同様
- 形動詞はそもそもの機能が動詞なので、掛る名詞が形動詞の動作の主体なのか、目的対象なのかなどの区別が生じる
- また、形動詞の動作の主体・対象・その他の名詞要素情報を連結することも出てくる(だろう)
- 11.
- 接頭辞と前置詞が登場して複雑化する
- さらにいろいろな情報を付け加えようとすると、幹となる部分に付随情報を付け加えることになる
- 語尾は単・複、性、格で使い倒されているので、もう使えない
- したがって、語頭を使うことにした
- 動詞・形容詞の場合は単語に直接貼り付けた
- 名詞の場合は、前置詞という仕組みを入れた
- 語頭に張り付ける場合と、前置詞として付加する場合の違いは、前置詞+名詞の場合の方が前置詞の意味がより統一的、というような位置づけだろうか
- また、動詞の場合は、接頭辞だけでは足りなくうまくいかなくなって、語の途中に音節を入れたり、語幹と語尾との間に音節を入れたりしてバリエーションをつけた
- その例が不完了体から完了体を作る場合などに相当した
- おとぎ話はここまで
- 嘘つきの話なので、あくまでも自分で覚えるためのきっかけとして使うことにする